Anacondaを利用した仮想環境の構築

皆さんこんにちは。 

 本日は前回作成したAnacondaでのPython環境を使って、
 "仮想環境"なるものを作成して行きたいと思います。
ぜひPythonを利用したプロジェクトの推進にご活用ください。




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通常であれば最初に構築したPythonの環境を利用して、
プロジェクトAやプロジェクトB、はたまたその先にあるプロジェクトZまで対応を行います。

ココで1点問題が出てきます。
各プロジェクトが最初から進めるもので、
今後構築者の環境が変わらない(バージョンアップ等に対応しない)のであれば良いのですが、
そんな事あり得ません。

既存のプロジェクトAで構築されたプログラムは、
専用の環境を用意しなければいけません。
その際に今の環境を削除して、最初からPythonを入れて・・・
とかやっていたらとても面倒ですよね。

なので各プロジェクトに対応できるよう、
色々な環境を準備できるような状態を作っておけば良いじゃないか!
というのが”仮想環境”です。
仮想環境の作り方には様々ありますが、
前回Anacondaを利用したPython環境のつくりかたを説明したので、
同様にAnacondaでの仮想環境の作り方を説明します。





Anacondでの仮想環境のイメージは以下です。

前回インストールしたPythonの環境内に、
複数の仮想環境を作製し、プロジェクトに応じて仮想環境を切り替えて利用することが出来ます。

他にもAnacondaの機能を使わずにvenv等で仮想環境の作製も行えます。
※いつか解説出来ればと思います。

ただAnacondaの利点として、Pythonのバージョンから指定できるという点が魅力です。
多くないと思いますが、Python2系で動いているプロジェクトもあります。
その際にvenvだと対応が難しいんですよね・・・

次の章空は実際に仮想環境を作製してみましょう!

まずは"Anaconda PowerShell Prompt"を開いてください。
前回の記事でも記載しておりますが、画面左下の検索窓に名前を入れると出てきます。

仮想環境作成のために利用するコードはたった1行だけ!

conda create -n project-a python=3.11 jupyter

conda create -n 仮想環境の名前 python=x.x インストールするパッケージ
※半角スペースで区切ります。
で仮想環境の作成が行えます。
途中で Proceed ([y]/n)? と求められるので、yを押しましょう。
無事仮想環境の作成が完了です。



仮想環境がしっかりと作成できているか確認してみましょう。

conda info -e
で、現在のすべての環境を確認することができます。
先ほど作成した"project-a"という仮想環境が確認できますね。

仮想環境は作成しただけでは利用できる状態になっていません。
まずは現在有効化されている環境を確認してみましょう。
  • 左上のコマンド入力部先頭が"(base)"となっている
  • conda infoの結果(画像真ん中)のbaseの行に*がついている
上記2点が見て取れます。今の環境はbase環境です。

実際に作成した仮想環境を有効化して、利用できる状態にしてみましょう。

conda activate project-a

conda activate 仮想環境の名前
で任意の環境を有効化することができます。
コマンド入力部の先頭が、(base) → (project-a)に変わりました。
これで作成したproject-aという仮想環境を有効化することができました。

任意の仮想環境が作成できたら、実際に必要なパッケージをインストールしましょう。

conda install パッケージ名
pip install パッケージ名
※パッケージ名は半角スペースで区切ることで複数記載可
のどちらかでパッケージのインストールが可能です。

2つのコマンドを共存させるとコンフリクトが起きてしまうので、
どちらか一方に統一すると良いでしょう。
例えば、"pip install pandas"と”conda install pandas”で2つのpandasをインストールしてしまったなど・・・
基本的にはconda install を利用すれば問題ないと思いますが、
私はpip install を利用しています。
理由はまた改めて・・・
"Successfully installed"と出てきていますね。
こちらでパッケージのインストールが完了です。

対象のプロジェクトでの作業が終わったら仮想環境を無効化しましょう。

conda deactivate

で無効化することが出来ます。

確りと環境がbaseに戻っていることが確認出来ますね。

プロジェクトが終了し、環境をPCに残しておく必要がなくなった場合には、
仮想環境を削除しましょう。

conda remove -n project-a --all

conda remove -n 仮想環境の名前 --all
で環境を削除することができます。
指定した仮想環境の削除処理が進みます。
途中で2度 ([y]/n)? と求められるので、yを押しましょう。

仮想環境が削除されているかconda infoで確認しましょう。

確りと削除されていますね。

最初のconda createの部分で、pythonのバージョン指定の後に、
jupyterをつけるようにしてください。

conda create -n project-a python=3.11 jupyter

pythonにはjupyterという対話型でのUIが存在しているのですが、
上記が入っていないとbaseの方のパッケージが参照されてしまい、
せっかく作った仮想環境が意味をなさなくなってしまいます。
私はココで1時間くらい闘いました。


用途 コマンド
仮想環境を作る conda create -n 仮想環境名 python =x.xx パッケージ名
仮想環境を確認する conda info -e
仮想環境を有効化する conda activate 仮想環境名
パッケージインストール  pip install パッケージ名
仮想環境を無効化する conda deactivate
仮想環境を削除する conda remove -n 仮想環境名 --all

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